モノコト

日々のものこと

思い出のBAR

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大阪の堂島にあったBARデュワハウス。
そこは、スコッチ好きな主人がよく通ったBAR。
階段を地下に降り、扉を開けた瞬間タイムスリップしてしまうレトロな感じでした。

とまあ、ココまでのお話だとBARに通う主人がカッコよさげですが、実はデュワーズのアンテナショップ。
1ショットも安価でチャージもいらないので、若かったお酒好きの主人にとっては、肩肘を張らず飲めるウレシいBARだったのです。

棚には缶詰やチョコレート。
中でもよく覚えているのは、明治屋さんのオイルサーディンとウィンナーの缶詰とキャドバリーのアーモンドチョコレート。
オイルサーディンは中の油を半分捨てて缶ごと、ガスコンロにのせ直火で温め、コショウとレモン汁をかける。
ウィンナーは缶から出して電子レンジで温める。
キャドバリーのアーモンドの板チョコレートは手で割ってお皿にのせて出す。
そんな感じです(笑)
それがどれも、なかなか美味しかったのです。

主人に聞いた話ですが、マスターはオイルサーディンも小さいイワシのほうが美味しいので、わざわざ缶詰の後ろの数字を見てイワシの数の多い缶詰を選んでいたらしいです。
お店の電子レンジは、日本で初めて売り出した頃のモノでびっくりするほど大きくてレトロでした。
当時、とても高価だったらしいですヨ。

マスターの趣味はカメラ。
雑誌にお店とマスターを紹介されてたときも、手に愛機を持ったクールなショットのお写真が載りました。
Nikonのカメラはフラッシュを使わず、三脚を立ててお客さんを撮ってくれます。
だから撮ってもらう時は三秒くらい、動いちゃダメ(笑)
写真はアルバムに貼ってお店に置いてあり、何十年もたまったアルバムを見ると、某有名上方落語の師匠や経済界の偉いさんの若かりし頃の写真もあったりしました。

主人はマスターにとても可愛がって頂いて、ワタシたちの結婚式の二次会をデュワハウスでやって頂きました。
後にも先にもデュワハウスの貸切は、その時だけです。

結婚してからも主人は時々通っていたのですが、マスターが亡くなってしまわれてからは
行かなくなりました。
引き継いで営業されていたらしいですが、入っていたビルが取り壊しになったりと、今はお店がどうなってしまったかはわかりません。

今でも時々、明治屋さんのオイルサーディン、ウィンナーの缶詰やキャドバリーのチョコレートを食べるたび、ひょうひょうとして優しかった、デュワのマスターのコトを思い出します。


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