モノコト

日々のものこと

一房のブドウ

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感じのイイ可愛らしい青年でした。
町のコンビニの前で「すいませ〜ん」と呼び止められたので、道でも聞かれるのかと振り向くと両手で大きな箱を抱えた青年に
「あ!突然にすいません。ボク、八百屋なんですけど…今お客さん家に配達した帰りで、この辺の方にブドウを買っていただけたらって一緒に持ってきたんです」
と話しかけられました。

その前に行ったスーパーで買い忘れたモノがあったので、コンビニに寄って買って出てきたところを呼び止められたのです。
ブドウの美味しい季節。
実はスーパーにもブドウが並んでいて「買おうかな…」と見ていたけれど、どれも普段食べるには高価だったのでガマンして代わりにプラムを買って帰ってきてました。

「これとてもいいブドウなんです。茎も緑で、持ってみてください。ズシッと重いでしょ?」と自信を持って売り込む青年。

持ってみるとホントに重さのある確かに上質のブドウでした。
箱の中にはたくさんのブドウ。
さらに青年は「たくさん買ってくださったら勉強させて頂きますヨ」とすすめます。

「ウチはワタシしかブドウは食べないので、そんなたくさんは要らないの」と断り、それでも熱心に売り込む青年に一房なら買ってあげようかと「ところでコレ一房おいくらなの?」と聞いてみました。

するとスーパーで売ってるモノより倍以上のお値段!
確かにイイモノでもワタシが普段食べるブドウではありません。

手に持っていたブドウを返して「ゴメンね〜ワタシしかブドウは食べないのに、そんな贅沢できないワ」「ホントにゴメンネ!」と何度も謝り帰ってきました。
でもその青年の残念そうな顔が忘れられませんでした。

帰ってからも「色々聞いたのに買わずに悪かったなぁ~」というキモチが膨らんでココロ晴れません。
誰かに聴いてほしくて、そのコトを主人に話すと
「ああ〜それはそんな風に路上で商売するコたちダヨ」と一言。

へ?!配達の帰りじゃないの?
とても感じのいい青年だったヨ。

主人も路上でそういう若いコたちにあったことあるというのです。
そして女の子もいるらしい。
なぁんだ〜じゃあそんなに落ち込むコトなかったんだ〜
職場の同僚にも話すと「知ってるヨ〜」って言ってました。

知らなかったのはワタシだけなのですネ。

思い出したのはワタシがまだ小さいかった頃、度々家に来る訪問販売のセールスマン。
母は断りきれずに何かしら買っていました。
実家にあった「児童文学全集全24巻」とか「日本の美術全36巻」とか「子どものクラシックレコード(セット)」とか他(ちゃんと覚えてませんが)モロモロ、その度に増えていきました。
まぁ子どもの教育にイイって思って購入したんだとは思いますが、子どもたちはそんなにその本を開いた記憶がありません(笑)

で、今日はやっぱり食べたくてスーパーマーケットで、青年がすすめてた「ナガノパープル」という種もなくて皮も食べられる同じブドウを買ってきました。
主人は「ブドウはいらん。面倒臭いから」って言ってホントに食べないのですが、これなら食べるカナ?
食べないとひとりじめで頂きますヨ(笑)

(とりとめのない長い文章を最後まで読んで頂きありがとうございました)


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